お湯の出が前より悪くなった、できあがったコーヒーがなんとなくぬるい、と感じることがあります。
デロンギは、ドリップコーヒーメーカーDCM040J-WHのよくある質問で、長く使うと内部の給湯管などに水中の石灰分が付着し、お湯の出が悪くなったり、コーヒーの温度が低くなったりすることがあると説明しています。
この内側の汚れを落とすのが、クエン酸などを使った洗浄です。
ただし、クエン酸を使えるか、どれだけ溶かすか、何回すすぐかは機種ごとに違います。

掃除は「使うたび」と「ときどき」の2段
コーヒーメーカーの手入れは、使うたびに洗う部品と、ときどき内部を洗浄する部分に分かれます。

| どこを | いつ | どうやって | 案内しているメーカー(機種) |
|---|---|---|---|
| 使用後に手入れする部品 | 使うたび | 中性洗剤と柔らかいスポンジで洗い流す | パナソニック(NC-A58) |
| ミル | 使うたび(本体が自動で) | 豆挽きから抽出、ミルの洗浄まで自動で行う | パナソニック(NC-A58) |
| 給湯管などの内部 | 石灰除去のランプが点滅したとき(約90回の抽出後) | クエン酸を溶かした水を通す | デロンギ(DCM040J-WH) |
| 全自動マシンの内部 | 石灰の除去を知らせるランプが点灯したとき | 専用の除石灰剤を使う | デロンギ(全自動コーヒーマシン) |
いつ・どうやっての列は、各社の製品ページとFAQの記載をそのまま並べたもので、当サイトの推奨ではありません。
約90回の抽出でランプが点滅する機種なら、使う回数ごとの目安は次のような計算になります。
| 1日に使う回数 | ランプが点滅するまでの目安 |
|---|---|
| 1回 | 約90日(3か月に1回) |
| 2回 | 約45日(ひと月半に1回) |
| 3回 | 約30日(ひと月に1回) |
90回を1日の回数で割っただけの目安で、使わない日や1日に淹れる回数の変化で前後します。
クエン酸洗浄の流れ(デロンギ DCM040J-WHの例)
デロンギは、ドリップコーヒーメーカーDCM040J-WHの石灰分の除去を、次の手順で案内しています。

約500ccの水に、約30gのクエン酸を溶かして、水タンクに入れます。
ガラスジャグを保温板に載せ、電源スイッチを押してONにします。
約1分後に電源スイッチを押して給湯を止め、15分ほど待ちます。
電源スイッチを押して給湯を再開し、終わったら電源を切って、ガラスジャグの中のお湯を捨てます。
水タンクの「MAX」まで水だけを入れ、フィルターとガラスジャグをセットして給湯します。
クエン酸のにおいが取れるまで、計4回行います。

手順は、デロンギの公式FAQの内容を順番どおりに写しています。
水500ccに30gなので、水の重さに対して約6%のクエン酸を溶かす計算です。
この量と時間は、DCM040J-WHという1つの機種の例です。
ほかの機種で同じ濃さにしてよいとは限らず、クエン酸を使うこと自体を案内していない機種もあります。
洗浄の前に、取扱説明書の「お手入れ」の章か、メーカーのFAQで型番ごとの手順を確かめてください。
クエン酸ではなく、専用の洗浄剤を指定する機種
同じメーカーでも、方式が違うと使う洗浄剤が変わります。
デロンギは全自動コーヒーマシンについて、除石灰剤を使った定期的なメンテナンスをすすめています。
同社の説明では、水の石灰質は使うにつれて内部の管などに付着し、付着したまま使い続けると故障の原因になります。
全自動マシンECAM22020の手順では、除石灰剤を水タンクの「A」の位置まで入れ、水を「B」の位置まで足して始めます。
作業は30分程度かかり、途中で中断できないので、時間に余裕のあるときに行うよう案内されています。
同社の除石灰剤DLSC200は乳酸が主成分で、1回分100mLと水1Lを給水タンクに入れて使う製品です。

全自動マシンの除石灰は、準備・洗浄・すすぎの3段
ECAM22020の手順を大きく分けると、次の3つになります。
- 準備: 石灰の除去を始める操作をし、トレイの水を捨ててカス受けを空にし、ウォーターフィルターを付けていれば外して、水タンクに除石灰剤と水を入れる
- 洗浄: 抽出口とミルクフロッサーの下に2L以上の空の容器を置いて始めると、約15〜20分で水タンクが空になって止まる
- すすぎ: 水タンクをすすいで「MAX」まで新しい水を入れ、除石灰剤は入れずにすすぎを2回行う
ボタンの名前や表示は機種ごとに違うので、実際の操作は型番のページで確かめます。
やってはいけないこと
取扱説明書に書かれていない洗浄剤を、自己判断で使う(酢や重曹など、手元の機種の手順に出てこないものは使わない)
中断できないと書かれた除石灰の作業を、途中で止める
柔らかいスポンジの指定がある部品を、硬いたわしでこする
クエン酸と塩素系の洗浄剤を混ぜる、続けて流す(酸性のものと塩素系が混ざると有害な塩素ガスが出るので、一緒に使わない)
コーヒーメーカーの方式ごとの手入れの手間の違いは、コーヒーメーカーの種類と選び方の後半で触れています。
ミルは、刃の素材で洗い方が分かれる
コーヒーメーカーと一緒に使う手挽きのミルは、刃が水に強いかどうかで手入れが変わります。
| ミル | 刃(臼)の素材 | メーカーの案内 |
|---|---|---|
| カリタの手挽きミル(多く) | 硬質鋳鉄・アルミニウム | 水洗いはできない、残った豆の小片や粉は乾いた刷毛などで掃除する |
| ハリオ コーヒーミル・セラミックスリム | セラミック | 「臼が洗えます」 |
| ポーレックス コーヒーミル・Ⅱ | セラミック | 磁器製で吸水性がなく、水洗いができ衛生的、部品を全て分解して洗える |
カリタは、セラミックスリムミル・コーヒーピクニック・KKC-25を除く同社のミルを、水洗いできないものとしています。
同社は、水に浸したり水で洗ったりすると、カッターが腐食して故障の原因になると注意しています。

水洗いできるミルでも、部品をよく乾かしてから組み立てると、次に挽く豆を湿らせずに済みます。
電動ミルにも、手入れの手間を減らす作りの製品があります。
ハリオのV60 電動コーヒーグラインダーコンパクトNは、内部の静電気除去機能で粉の飛び散りを軽減し、フタにクリーナー機能が付いていると案内されています。
刃の方式と、手動・電動の違いはコーヒーミルの選び方で比べています。
ドリッパー・プレス・エアロプレスは、使うたびに洗う
全日本コーヒー協会は、おいしいコーヒーを淹れる基本原則の1つに「清潔な器具を使用する」を挙げています。
手で淹れる器具は構造が単純なぶん、毎回洗い流すのが基本です。

フレンチプレスは、フィルターを分解して洗う
ボダムのBRAZILの取扱説明書は、使うたびに、プランジャーのフィルター部分のネジを回して分解して洗うよう案内しています。
同じ説明書では、全てのパーツを食器洗浄機で洗えるとしたうえで、研磨材入りのたわし、金属たわし、クレンザーは使わないよう注意しています。
金網のすき間に残った細かい粉は、分解しないと落ちにくい部分です。

浸す時間や粉の量とあわせた使い方は、フレンチプレスの使い方の洗い方の節にもあります。
エアロプレスは、押し出してすすぐ
エアロプレスの公式サイトは、押し終わるとプランジャーが使った粉とフィルターを固まりのまま押し出すので、そのまま捨てられると説明しています。
そのあとは、プランジャーをすすぐだけで済むというのが同社の案内です。
淹れ方の手順は、エアロプレスの淹れ方にあります。
掃除の前に確かめておくこと
- 手元の機種の型番(本体の底や背面のラベルに書かれていることが多い)
- 取扱説明書の「お手入れ」の章にある、使ってよい洗浄剤と分量
- 内部洗浄にかかる時間と、途中で止めてよいかどうか
- ウォーターフィルターを付けている場合、外してから洗浄する指示があるか
- すすぎの回数と、においが残ったときの扱い
コーヒーメーカーの掃除でよくある疑問
- クエン酸洗浄は、どのくらいの間隔でやればよいですか?
-
お知らせランプがある機種は、その点灯・点滅が目安です。
デロンギのDCM040J-WHは、約90回の抽出後にランプが点滅します。
ランプのない機種は、取扱説明書の「お手入れ」の章にある頻度に合わせます。 - クエン酸の代わりに、酢や重曹を使ってもよいですか?
-
今回確かめたデロンギ・パナソニックの手順には、酢や重曹を使う方法は出てきません。
手順にない洗浄剤は手元の機種に合うかどうかが分からないので、取扱説明書に書かれていない洗浄剤は使わないほうが確実です。
- 全自動のマシンに、クエン酸を使ってもよいですか?
-
デロンギは全自動コーヒーマシンに、専用の除石灰剤を使った定期的なメンテナンスをすすめています。
ほかのメーカーの全自動マシンも、使える洗浄剤は取扱説明書の指定に従います。
型番を控えてから、洗浄剤を買う
クエン酸は手に入りやすい分、「とりあえず溶かして流す」使い方をしがちです。
型番を控えて取扱説明書の「お手入れ」の章を開き、指定の洗浄剤と分量を確かめてから買う順番にすると、機種に合わないものを使う心配がなくなります。
掃除をしても味が戻らないときは、挽き目や湯温など淹れ方の側に原因があることもあります(酸っぱい・苦いといった症状から原因をたどる手順は、コーヒーが酸っぱい・苦い・薄いときの原因と直し方の診断表から引けます)。
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