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コーヒーのカフェイン量と1日の摂取量の目安

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木のテーブルのリネンの布の上に、コーヒーの入った白いマグカップと木のスプーンが置かれている朝の様子

カフェインには、一生涯とり続けても健康に悪影響が出ないと推定される1日の摂取許容量(ADI)が決められていません。

厚生労働省は、その点について「個人差が大きいことなどから、日本においても、国際的にも設定されていません」としています。

ただし、同じ厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」は、睡眠の面から「1日のカフェインの摂取量合計は400mgを超えないようにしましょう」と目安を示しています。

この400mgは、欧州・カナダ・米国の機関が健康な大人の1日の上限として挙げる数字とも同じです。

1杯に入っている量を知り、1日400mgの目安と自分の杯数を照らし合わせるのが、量を考えるときの現実的な方法です。

目次

1杯のカフェインは、淹れ方と量で変わる

農林水産省は、日本食品標準成分表2020年版(八訂)をもとに、主な飲み物のカフェイン濃度を次のように紹介しています。

飲み物カフェインの量浸出の条件
コーヒー(浸出液)100mLあたり60mg粉10g・熱湯150mL
インスタントコーヒー粉2gの1杯あたり80mg粉末100gあたり4.0g
玉露100mLあたり160mg茶葉10g・60℃の湯60mL・2.5分
紅茶100mLあたり30mg茶葉5g・熱湯360mL・1.5〜4分
せん茶100mLあたり20mg茶葉10g・90℃の湯430mL・1分
ほうじ茶・ウーロン茶100mLあたり20mg茶葉15g・90℃の湯650mL・0.5分
玄米茶100mLあたり10mg茶葉15g・90℃の湯650mL・0.5分

数値は、農林水産省「カフェインの過剰摂取について」(2026年8月28日更新)が成分表から引いた値です。

この濃度は粉10gを熱湯150mLで浸出した条件での値なので、粉を多く使えばそのぶん増えます。

木のテーブルの上の白い皿に1杯分のコーヒー粉が小さな山に盛られ、周りにコーヒー豆、横に木のスプーンがある様子

いつもの1杯に直すと

100mLあたり60mgを、カップの量に当てはめると次のようになります。

  • 全日本コーヒー協会のペーパードリップのレシピでできる140mLなら、約84mg
  • 200mLのカップなら、約120mg
  • 240mLの大きめのマグカップなら、約144mg

どれも濃度に量を掛けただけの計算で、豆の種類や粉の量、淹れ方で実際の量は上下します。

欧州食品安全機関(EFSA)は目安として、エスプレッソ60mLで80mg、フィルターコーヒー200mLで90mgという数字を挙げていて、国や淹れ方によって1杯の量の見積もりに幅があることが分かります。

白いカウンターに、エスプレッソ用の小さなカップ、ふつうのコーヒーカップ、大きなマグカップの3つが小さい順に並び、どれにもコーヒーが入っている様子

浅煎りと深煎りで、カフェインの量は違いますか?
カフェインの量は、焙煎度だけでなく豆の種類や使う粉の量でも変わるので、焙煎度だけで多い・少ないを言い切るのは難しいところです。
量が気になるなら、焙煎度を選ぶより、1日の杯数とカップの大きさで調整するほうが確実です。
焙煎度ごとの味の違いは、浅煎り・中煎り・深煎りの違いを開くと8段階の表で分かります。

国内と海外の機関が示す、1日の目安

日本の睡眠ガイド2023と同じく、海外でも大人の目安は400mgで、農林水産省は主な国や機関の摂取上限・目安を一覧にしています。

国・機関対象摂取上限・目安
欧州・英国健康な大人400mg/日、1回あたり体重1kgにつき3mg
欧州・英国妊婦・授乳婦200mg/日
欧州・英国子ども体重1kgにつき3mg/日
カナダ18歳以上400mg/日
カナダ妊婦・授乳婦300mg/日
カナダ18歳未満体重1kgにつき2.5mg/日
米国健康な大人400mg/日
オーストラリア・ニュージーランド18歳以上400mg/日、1回200mg
世界保健機関(WHO)妊婦300mg/日

農林水産省の一覧から、主な機関だけを抜き出しました(オーストラリア・ニュージーランドの妊婦・授乳婦と18歳未満の欄は省略)。

EFSAは、健康な大人では1回200mgまで、1日を通して400mgまでなら安全上の懸念はないとしています。

厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」は、400mgの目安をドリップコーヒーで珈琲カップ4杯分(700cc)と説明しています。

木のトレーに同じ白いコーヒーカップ4つが並び、どれにもコーヒーが入っている様子

700ccを4杯で割ると、ガイドの見積もりは1杯あたり約175mLです。

全日本コーヒー協会のレシピの140mLの1杯(約84mg)で数えると、400mgは計算上約4.8杯、200mgは約2.4杯、300mgは約3.6杯です。

1日の合計は、コーヒー以外も足して考える

カフェインは、お茶や紅茶にも入っています。

たとえば、ある1日に次のように飲んだとすると、合計はこうなります。

飲んだもの量カフェイン(計算)
朝のドリップコーヒー140mL約84mg
昼のマグカップのコーヒー240mL約144mg
午後の紅茶200mL約60mg
夕食のせん茶200mL約40mg
合計780mL約328mg

100mLあたりの濃度(コーヒー60mg・紅茶30mg・せん茶20mg)に量を掛けて足した、当サイトの例です。

大理石のカウンターに、エスプレッソ用の小さなカップ、白いコーヒーカップ、紅茶のガラスカップ、緑茶の湯のみが並んでいる様子

この例は、睡眠ガイドや欧州・カナダが示す大人の目安の400mgには収まりますが、妊婦・授乳婦の目安(欧州200mg、カナダ300mg)は超えます。

EFSAが示す1回200mgという目安もあるので、大きめのマグカップ2杯(約288mg)を続けて飲むより、時間を空けて分けるほうがこの目安に沿います。

とりすぎたときに出やすいこと

厚生労働省は、カフェインをとりすぎた場合、中枢神経系の刺激によるめまい、心拍数の増加、興奮、不安、震え、不眠症、下痢、吐き気などの健康被害が出ることがあるとしています。

感じ方には個人差が大きく、少ない量でも眠りにくくなる人がいます。

いつもの量でもこうした変化が続くときは、量を減らし、気になる症状があれば医療機関に相談します。

消費者庁は、コーヒー・紅茶・緑茶といった日常的な飲み物程度なら過剰摂取につながる可能性は低いとしています。

一方で、エナジードリンクの中には、1本でコーヒー2〜3杯分に当たるカフェインを含むものがあるので、同じ日に重なると合計が大きくなります。

妊娠中・授乳中・子ども・薬を飲んでいるとき

妊娠中・授乳中の方、持病のある方、薬を飲んでいる方は、量の目安を自分で決めず、かかりつけの医師や薬剤師に相談してください。
消費者庁も、子ども・妊婦・授乳中の方・カフェインに敏感な方は摂取を控えるよう呼びかけています。

妊娠中の影響については、出典によって書き方に幅があります。

睡眠ガイド2023は、妊婦のカフェイン摂取が胎児に影響するという明らかな研究結果は得られていないとしたうえで、潜在的なリスクから可能な限り控えることが複数の国や学会から勧められていると紹介しています。

一方で農林水産省は、妊婦が高濃度のカフェインを摂取した場合に、胎児の発育を阻害(低体重)する可能性が報告されているとしています。

同省は、WHOが2016年に、1日300mg以上をとる妊婦に対して摂取量を減らすよう注意喚起したことも紹介しています。

消費者庁も、「カフェインの過剰摂取による自然流産や出生児低体重の可能性を示唆する報告もあります」としています。

影響がはっきりしないことを、気にせず飲んでよいという意味に読み替えないことが大切で、量は医師と相談しながら決めます。

子どもの目安には、年齢ごとに上限を決める示し方と、体重1kgあたりで決める示し方の二通りがあります。

年齢カナダ保健省の1日の上限
4〜6歳45mg
7〜9歳62.5mg
10〜12歳85mg

睡眠ガイド2023は、子どもでは1日に体重1kgあたり1〜3mg以上で睡眠に悪影響が出ると報告されているとし、体重30kgなら30〜90mgにあたると示しています。

薬との組み合わせにも注意が要ります。

厚生労働省は、カフェインを含む医薬品を飲むときは、カフェインを含む飲み物との併用を避ける必要があるとし、添付文書の用法・用量を守るよう求めています。

風邪薬や眠気防止薬などにカフェインが入っていることがある、と農林水産省も注意しています。

夜の1杯は、時間で残る量を考える

同じ量でも、飲む時刻によって眠りへの影響が変わります。

睡眠ガイド2023によると、カフェインの血中半減期(血液中の濃度が半分になるまでの時間)は、日本人で3〜7時間とばらつきがあります。

半減期が5時間なら、19時に100mgとると、24時になっても50mg分が体内に残る計算です。

夜の暗いリビングで、ランプの明かりの下のテーブルに、白い空のカップと閉じた本が置かれている様子

同ガイドは、成人を対象とした系統的レビューで、107mgを超えると就寝の約9時間前、217.5mgを超えると約13時間前の摂取でも夜の睡眠に影響したと紹介しています。

夕方以降の置き換え先
睡眠ガイド2023は、夕方以降はカフェインを含む飲み物を控えることをすすめ、茶葉を使わない麦茶・そば茶・黒豆茶・とうもろこし茶などへの置き換えも挙げています。
コーヒーの味を続けたい場合は、カフェインを取り除いたデカフェも選択肢です(除去率の表示と、1杯に残る量の見積もり方はデカフェ・カフェインレスコーヒーの選び方で扱っています)。

麦茶のような薄い茶色のお茶を入れた透明なグラスと、湯気の立つお茶を入れた白いカップが、たたんだ白い布とともに木のテーブルに置かれている様子(夕方以降の、茶葉を使わない置き換え先の例)

食品安全委員会のファクトシートも、オーストリアの評価を引いて、就寝直前の100mgで、一部の大人に睡眠障害が起こる可能性に触れています。

カフェイン量でよくある疑問

インスタントコーヒーは、ドリップよりカフェインが少ないですか?

農林水産省の表では、インスタントコーヒーは粉2gの1杯で80mgです。

ドリップの140mL(約84mg)と大きくは変わらず、少ないかどうかは、使う粉の量で決まります。

ペットボトルや缶のコーヒーは、どう考えればよいですか?

製品の成分表示にカフェイン量が書かれていれば、それで確かめます(農林水産省)。

睡眠ガイド2023は、400mgを市販のペットボトルコーヒー1.5本分(750cc)としています。

エスプレッソは、量が少ないぶんカフェインも少ないですか?

EFSAの目安では、エスプレッソ60mLで80mg、フィルターコーヒー200mLで90mgです。

量は3分の1ほどでも、1杯あたりのカフェインはフィルターコーヒーと近いと見ておきます。
エスプレッソとほかの淹れ方の違いは、コーヒーの淹れ方の違い比較で方式ごとに見比べられます。

いつものカップの容量を、一度量っておく

カフェインの量を見積もるときに、いちばんずれやすいのはカップの大きさです。

いつも使うカップに水を入れて計量カップで量り、そのmL数に100mLあたり60mgを掛けると、自分の1杯のおおよその量が出ます。

注ぎ口と持ち手の付いた陶器の水差しから、ガラスの計量カップへ水を注いでいる様子

1日の杯数を掛ければ合計の見当がつき、1日400mgの目安と比べられます。

ただし、体調や薬のことで気になる点があるときは、計算より先に医師・薬剤師に相談してください。

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この記事を書いた人

コーヒー豆の選び方・淹れ方とレシピ・器具とミル・保存と味の困りごとを、メーカーや業界団体、販売店、公的機関の公開情報をもとに調べ、比較・整理して発信している編集担当です。迷ったときに1記事で答えが出る形を心がけています。

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