「自宅で豆をミルで挽いているし、ハンドドリップもしている。焙煎もしてみたい!」
「焙煎の道具を揃えたり、焙煎も難しそう…ハードル高いなぁ…」
「手間暇かけて焙煎してみたい…調べてみたけど手網で振り続けるのは大変そう…」
自宅で豆を挽いてハンドドリップしていると、自宅での焙煎もしてみたい!
そう思う方は多いのではないでしょうか?
でも少しハードルが高く、自家焙煎を始めるのに躊躇している…
そんな方は多いのではと思います。私も実際に自宅で焙煎するまではそうでした!
そこで!今回は自宅で焙煎する為の道具、方法、Q&Aも含めて、
徹底的にお伝えしていきます。 最後まで読んで一緒に試して頂ければ、
きっと「焙煎ってやってみると想像よりも簡単、自宅でも美味しくできるな」と
感じて貰えますよ!是非参考にしてくださいね!
目次
1.コーヒー豆の「焙煎」とは?
焙煎とは、生豆に熱を加え化学反応を起こす工程です。
焙煎をすることで、コーヒーならではの香り、苦味、コク、酸味、甘味が引き出されます。
化学反応というと難しそうですが、例えばたまねぎを炒めると段々と茶褐色になってきて、芳ばしい香りや風味、コクが出ますよね。
同じような反応がコーヒーの焙煎でも起こっているんですよ!
焙煎によって、コーヒーの独特の香りや苦味、コクが引き出されていきます!
2.焙煎する道具は何を使う?3分類で紹介!
家庭で焙煎する場合、は大きく分けて、
・手回し式焙煎機
・フライパン、手網系
・全自動式焙煎機
の3分類の道具で焙煎ができます。
初めてでまずは試してみたい!という方を想定して、
簡単に各分類での特徴を紹介していきますね!
手回し式焙煎機
特徴
直火で焙りながら焙煎します。ガスコンロの上に設置してクルクルと
手回ししながら焙煎します。焙煎時間は10分~15分程度。
価格は上記の安いタイプで6,000円程と気軽に試せます。
手間暇かけつつ香り、音、色が変わって焙煎されていく様子を楽しめますよ!
・メリット:専用の焙煎機を使って直火で焙煎している感が味わえます!価格も手頃。
・デメリット:焙煎中は手が離せません。
フライパン、手網系
特徴
家庭でお馴染みのフライパンや銀杏等を煎る時に使うような手網での焙煎です。
フライパン、手網を常に振りながら焙煎します。
焙煎時間は手回し式と同様10分~15分程度。
家庭にあるものを使える、買っても2,000円弱で十分揃えられますね!
フライパン等を振り続ける体力は必要ですが、
手回し式と同じく焙煎を楽しむことができます。
・メリット:基本的に家庭にあるものをそのまま使える。価格も手頃。
・デメリット:焙煎中は手が離せず、疲れる。専用の焙煎機ではないので少し味気ない。
全自動式焙煎機
特徴
家庭で焙煎ができる家電ですね!ボタン一つで自家焙煎ができます。
機能はものによりけりですが、基本的にはマシーンが焙煎するので
手間いらずで焙煎できます。
焙煎時間は手回し式と同様10分~15分程度。
価格帯は2,3万円前後が多く、細かく温度管理ができるものだと10万円クラスと、
ある程度のお値段で少しハードルが高め。
手間をかけずに自宅で焙煎したい方にはおススメですね!
・メリット:ボタン一つで自動で焙煎できる為、手間が掛からない。
・デメリット:自分で焙煎している感は薄い。3分類で比較すると価格が高い。
3.焙煎方法~手回し焙煎機編~を徹底解説!
上記3つの焙煎方法のメリット、デメリットを比較し、
・全自動はちょっとお高い…
・全自動だと簡単すぎて少し味気ない…
・フライパンも見慣れた器具で雰囲気が出ない…疲れそう…
と感じてはいませんか?
そこで!今回は、手軽に、かつ手間暇掛けて本格的な直火焙煎を
十分に味わえる手回し式の焙煎を徹底解説します!
⑴道具の準備
手回し式焙煎機、コーヒー生豆、トレー、タイマー、ザル(網状のトレー)、
軍手、うちわ、はかり(キッチンスケール)
道具は自宅にあるもの、100均、ネットで安く簡単に揃いますよ!
①手回し式焙煎機
今回はAmazonで買った手回し焙煎機を使用しています。
焙煎入門でお試しで6,000円程で買ってみましたが、十分美味しく焙煎できますよ!
②コーヒー生豆
ネットもしくは自家焙煎をしているコーヒー専門店で購入できます。
自宅の近くに買えるお店が無い場合も多いかと思いますので、
生豆の購入はネットが便利ですね!
今回はワイルド珈琲ストアで、
ブラジル/カフェドルチェ・チョコラーダを購入しました。
送料込みで500g、1,300円程です。
大体ですが、自宅で焙煎すると焙煎後の豆を購入する
1/2~1/4程の価格で買えるので、コスパは良いですよ!
真空パックで届きます。焙煎後に豆を入れる袋付きで配送されてきました!
③はかり(キッチンスケール)
焙煎する分量を計量します。自宅にあるものでOKですが、無ければネットでも揃います。
気分を上げたい、ドリップする時にも機能性高く活用したい場合は
コチラ↓もあります。タイマー機能付き。
④トレー
ハンドピックで豆を選別する時に使います。自宅のものを使用。100均でも揃います!
ハンドピックできて、焙煎機に豆を移しやすければ、違う形状でも良しです。
⑤タイマー
焙煎時間を計るために使います。
スマホで検索しながら焙煎する時はタイマーが別にあると便利です。
時間と焙煎度合いを見ながら、次回参考にして火加減も調整できます。
記録するか、大体の時間を覚えておくと次回の参考になりますよ。
今回は100均にて購入!
⑥軍手
焙煎後、焙煎機を開ける時めちゃめちゃ熱いので軍手が必要です。自宅のものを使用!
開ける際に焙煎機を抑える手に2枚重ね、開ける方の手で1枚の計3枚を推奨です。
⑦ざる
焙煎後、冷却時にあけるので使います。今回は100均で準備しました!
⑧うちわ
焙煎後、冷却時に使います。自宅のものを使用。こちらも100均で揃います!
道具が揃ったら、豆を計量していきます!今回は100gで焙煎します。
次の工程のハンドピックで少し豆を選別するので、
気持ち多め(103g位)で計量して準備するのがコツです!
⑵ハンドピック
そのまま焙煎してしまうと味が落ちてしまう豆=欠点豆を手作業で取り除きます。
手作業で取り除くのでハンドピックといいます。
【欠点豆】
上記のような豆を取り除きます!
大きく分けると豆自体が悪くなってしまっているもの、
形状が変形しているものがあります。
①豆自体が悪くなっているもの
1.黒豆、2.カビ豆、3.発酵豆、10.虫食い豆、12.未完熟豆
→味、香りに悪影響!異臭、カビ臭、えぐみ、すっぱみの原因に。
②変形した豆
9.欠け豆・砕け豆、11.しわ豆、13.潰れ豆
→焦げてしまったりと焙煎ムラ、火の通りが不均一になる。
見分けられない!どれも欠点豆に見える!と感じるかもしれません。私もそうでした笑
商品としてコーヒーを提供するわけではないので大体で美味しくできますよ!
影響大の①を取り除いて、②はパッと見でわかる程度でざっくり取り除きましょう。
①の黒豆、カビ豆、発酵豆は色が変わっていて判別しやすいです。
カビ豆、虫食い豆も見た目に特徴があるので解りやすいです。
未完熟豆は形がいびつでえぐれていたりします。
最低限、見分けやすく影響が大きい1.黒豆、2.カビ豆、3.発酵豆は取り除きましょう!
⑶洗い
実は生豆は洗わなくてOKです!
ハンドピックでカビ豆など問題のある豆は取り除いている、
更に焙煎での高熱処理しているので、健康上の問題もないとされています。
⑷焙煎
ここから焙煎の手順を追って説明していきますね!
焙煎時間は10分~15分程です。
まずは、焙煎機にセットします。
次にガスコンロに焙煎機をセッティングします。
付属にアルコールランプが付いてきますが、
アルコールランプだと30分程掛かってしまい中々大変です。
ガスコンロがおススメです!
ガスコンロの脚(五徳)を外すと安定してセッティングできます。
焙煎後の清掃もし易くておススメです。
いざ焙煎!中火の若干弱めで焙煎していきます。ここでタイマーを開始します。
ひたすら取っ手をクルクルと回して、ムラなく焙煎していきます。
手を止めると部分的に焦げてしまうので注意!
焙煎が進んでくると「チャフ」というコーヒー豆の薄皮が剥がれ落ちてきます。
気にせず焙煎していきましょう!焙煎修了後に清掃すると楽ですよ。
焙煎いつまでやるの?目安は?
基本的に長く焙煎して深煎りにすると苦味やコクがあるコーヒーになります。
短めにの浅煎りに焙煎すると酸味があり、苦味は控えめになります。
焙煎時間の目安になるのが「ハゼ(爆ぜ)」です。
今回の中火(若干弱め)だと8分30秒程でパチッ、パチッと音がし始めます。
→1回目のハゼ=「1ハゼ」と呼ばれています。
1ハゼが来た頃に焙煎を終えると、
「中煎り」
酸味とほんのり苦味
その後2~3分程でパチパチと音がしてきます。焚火のような音がします。
→2回目のハゼ=「2ハゼ」
今回は8分30秒で1ハゼが来ました。
引き続き2分程焙煎し10分30秒程で2ハゼが起こり、白い煙が出てきます。
ここで焙煎終了にして、ざるに開けます!
※↓の様なイメージ。
軍手は抑える手に2枚重ね、開ける方の手で1枚の計3枚を推奨です。
今回の焙煎終了の2ハゼが鳴り始めたところでの焙煎終了だと、
「深煎り」
苦味とコク、少し酸味が残っている程度。この位が好みなのでここまで!
※更に焙煎が進んでパチパチパチと2ハゼが鳴らなくなり、
かなり白い煙も出ている状態で終わると↓です。
「極深煎り」
濃厚な苦み、芳ばしい感じです。酸味はほとんど無くなっています。
これはこれで芳ばしい香りで美味しいですよ!
好みは人それぞれなので、自分が美味しいと思うコーヒーになる焙煎度を
目指すのがおススメです!
10分~15分の焙煎時間になるよう、火加減、焙煎終了のタイミングを何度も試して、
好みの味に焙煎してみてくださいね。自宅での焙煎の醍醐味ですね!
焙煎度参考:ALT-COFFEE.COM -コーヒー豆の焙煎(ロースト)8段階とは
⑸冷却
焙煎が余熱で進んでしまわないよう、冷まします!
ザルにあけた状態で、うちわで扇いで冷ましていきます。
⑹寝かせ(飲み頃)
3日~1週間程経つと美味しいと言われています。
2週間以上経ってくると風味が落ちてきます。
焙煎したてのコーヒー豆には二酸化炭素などのガスが多く含まれています。
ガスが多く含まれているとコーヒーをドリップして入れる時に
成分が出てきにくいという訳です。
が!焙煎したてのコーヒー豆で実際にドリップしたコーヒーは
自分で焙煎した感動もあわさってとても美味しいです。
2日、3日と時間とともに徐々に味にコクやまろやかさが出てくる変化も楽しめますよ!
⑺保存方法
キャニスターなどの密閉容器に入れて保存すると良いですよ。
酸素、光、温度、湿度が影響します。
コーヒー豆は酸化で劣化してしまうので、光や高温多湿を避けて、
密閉して保存できるとベストです。
私のおススメはガラスのキャニスターで冷凍庫保管です。
紙袋に入れた状態でキャニスターに入れると鉄壁になります。
キャニスターはネットで揃えられますよ!
⑻清掃
最後にコンロ周りのチャフを清掃します。
緩めに絞った台ふきを使うと清掃しやすいですよ!
手回し焙煎機だと、焙煎機の真下にほとんどのチャフが落ちてくれます。
チャフの量がそこそこあるので、一回ざっと拭いて、その後仕上げ拭きでピカピカです!
4.自宅焙煎の不安&疑問、ここで解決!
Q、煙、におい、近所迷惑にならない?
A、家庭で自分で楽しむ分量(100g程度)で2ハゼ直後程度の焙煎度合いであれば、
通常の料理の範囲と同じ程度で近所迷惑ほどにはならないですよ。
焼肉の様なイメージです。
焙煎する量が多くなる、「極深煎りにしていく」=「2ハゼが終わるまで焙煎して白い煙が多く出てくる」と外でも気が付くレベルになります。
その場合、ご近所の方とコミュニケーションを取って焙煎することをおススメします!
Q、ハゼない!
A、低温で長時間焙煎している場合、ハゼが来ない時があります。
私の場合、今回の焙煎機でアルコールランプで30分焙煎した際は、
ハゼに気が付きませんでした。
火力を強める調整し、10分前後で1回目のハゼがくるように微調整していきましょう!
Q、チャフがちらばってしまう!
A、今回紹介した手回し焙煎機だと真下にほとんどのチャフが落ちるので、
簡単に清掃できますよ。是非試してみてくださいね!
チャフが落ちるのが嫌!という方は、裏技としてハンドピック後の生豆を洗います!
基本的には、香りや味の成分が水に流れてしまうので
当サイトでは洗わないことを推奨しています。
しかしどうしても!という場合は米を研ぐように洗い、
チャフを予め研ぎ落しておきます。
焙煎時の散らばるチャフが減りますよ。
Q,失敗(生焼け、すっぱい、焦げ、味が薄い、渋い、えぐみ)どうしたらいい?
A,「焙煎」は生豆に熱を加えて化学変化を起こす工程です。
しっかり生豆の中まで熱が加わらないと
生焼け、すっぱい、味が薄い、渋み、えぐみに繋がります。
そもそも火力が弱い、もしくは強火すぎて短時間焙煎になっていて
短時間での焙煎になっている可能性があります。
火加減を調整し、10分~15分の焙煎すると美味しくなってきますよ!
強火すぎると焦げてしまいます。
2ハゼ以降、白い煙がモクモクと上がってきている状態で、
更に止めずに強火で焙煎し続けると
発火してしまう事があるので要注意です。
その他の原因として、ハンドピックの段階で欠点豆が残っている、
ドリップする時の温度が高すぎる、
豆の粒度が細かすぎることも原因になる可能性があります。
それぞれ確認してみてくださいね!
5.まとめ
・焙煎に必要な道具は自宅にあるもの、100均、ネットで直ぐ揃う!
10,000円程度で始められる!
・焙煎も10分~15分程度でできてしまう!
・コスパもよく、自分好みの味のコーヒー豆に焙煎できる!
如何でしたでしょうか?敷居が高いと思っていた自宅での焙煎、
思ったよりも道具も揃い易いし出来そうだな!
と感じていただけたのではないでしょうか?
生豆、焙煎機も今回紹介したようにネットで簡単に購入でき、
道具もすぐ手軽に揃えられます。
焙煎自体も音や香り、色の変化を楽しめます。
試行錯誤して好みの焙煎の方法を発見していくのも楽しいですよ!
手間暇かけて自分好みに焙煎したコーヒー豆で入れたコーヒーは、また格別。
こちらの記事を見て是非、まずは自宅で焙煎を試してみてくださいね!